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ガン告知を受けた日

何となく、いやきっとガンにちがいないとは思っていました。

60歳で受けた人間ドックで見た画像、腎臓付近に膨れ上がった得体のしれない腫瘍。鍼灸師なので、この大きさ、形が何を意味するか理解できました。

 これは悪性だ・・・と息を呑む私に、医師は気まずそうに「まあ、とりあえず調べてもらって」と言って目を逸らしました。その後、大阪医科薬科大学病院を紹介され、精密検査を受けることになりました。検査内容は腎臓がどうか、ではなく、ガンが既に転移していないかどうかを確定するものでした。

 医師に告知されるまでもなく早ければ3か月か半年、もう治療は意味ないかもしれない。

頭に浮かぶのは経営している鍼灸院の患者様方のことでした。ガンの鍼灸師って嫌がられるかな、嫌だよな、とか。病院の待合室の椅子で今後のことを考えました。医師に私の考えを伝えなくてはならない。大体は医師からガンです、と言われてショックを受けて次回診察日を予約して・・・と更に時間を失う。それは避けたい。

 そして私はどれくらい休んで治療を受けることができるのか。治療を受けるなら絶対にお金が要る!経営者に傷病手当はないし、休んだ間の収入減でも家賃他固定費はかかります。

 そもそも体調不良で人間ドック受けたわけではないので病院代として別途貯めてはいませんでした。

ただ、両親・叔父、叔母・息子に至るまでガンを発症したので紛れもないガン家系。

53歳で胃ガンの父を自宅で看取ってから、ガン保険に加入していました。

診断されたら一括で100万!あれがあったな、よし、この状況にできるところまで戦ってみよう!と肚が決まりました。

「99.8%悪性です。手術が要るかなぁ~、どうします?」と聞かれ

「一日でも早く、根こそぎ取ってください。隣接している臓器もしっかり見ていただいて疑わしければ切除お願いします。」

そう言い切れたのもガン保険の一括給付金あってのことです。戦う時間も選択肢も、お金によって変わります。

この場合、どの選択を希望するかは性格や生活、家庭環境によって異なりますが闘病は文字通り戦い。軍事費は手厚いにこしたことはなく、それもまた寿命のうちです。

最後の息まで戦って、子供達にきちんと死にざまを見せてやる。それが私の選んだ方針でしたが実現するためには、お金が要ります。母として、独立した子供たちにお金の苦労をかけてまで治療したくはありません。私の尊厳をかけたガンとの闘いは、ガン保険一括給付金が後ろ盾になりました。

61歳になって今、普通に生活して鍼灸院も経営続行しています。あの時の決断ができたのはガン保険のおかげです。

60歳の4月に右腎摘出しました。転移はありませんでした。取り出した腎臓の細胞を調べた結果、嫌色素性腎細胞ガンというしかない、というものでした。非常に珍しいタイプです。細胞自体が良性っぽいのですが、この大きさ(7センチ)では良性とは言い難い。半年に1回は検査しましょう、治療は必要ありません、とのことでした。

息子も数年前に甲状腺ガンを患いましたが、同じようにガン一括給付金のおかげでしっかり治療できて今は東京・西麻布のレストランでシェフの激務に耐えています。

必要な時に、必要なお金。それは普段からの備えです。国民の半分がガンになるならガン保険は必須でしょう。

弟は私と同じ4月にガン宣告を受けて手術しましたが、ガン保険に加入していませんでした。と、いって貯金もないし、何なら借金さえありそうです。弟は今、ホスピス系の病院に入院中です。毎週、母を連れて見舞いに行くのですが、お金の心配しながら見守る身内って心労が絶えません。

お金の問題は患者本人だけでなく、支える親族にも大きく影響します。

ガン保険が本人だけのためでは決してないことをお伝えできたらと思います。